政経倶楽部【東京】第88回例会4/5木(朝食会)

日時:2012年4月5日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

富に処する教育~親学の視点から

■講演:髙橋史朗氏 明星大学教授・一般社団法人親学推進協会理事長
「富に処する教育~親学の視点から」

●“Ask yourself”自分自身に問いなさい
戦後の日本の混乱はGHQ(連合軍総司令部)の占領政策に原因があると考えた私は30歳でアメリカに留学し、GHQ文書240万ページの研究に没頭した。写した資料は段ボール10箱に及ぶ。
そこで、日本国憲法成立過程研究の2人の教授から同じ指摘を受けた。
“Ask yourself”「自分自身に問いなさい。日本人はいつまで押し付け憲法はけしからんと言っているのだ」。この言葉は胸に響いた。
日本人は何を得て、何を失ったのか。3年間考え続け、これは日本人自身の問題だという結論に到った。
 例えば、占領軍は、軍国主義につながるという理由で武道を禁止した。だが、本来、「武」は「戈を止む(ほこをやむ)」という意味だ。平和の精神だ。いつでも刀は抜ける、けれども抜かない。これが武の精神だ。しかしそれを日本人がわかっていなかった。日本人自身が日本の心を見失っていた。
占領軍が帰った後、すぐに武道を復活すればよかった。占領軍が悪いなどとアメリカに責任転嫁している場合ではない。まさに我々日本人自身が問われていると思い、視点をそこにおき、「師範塾」で教師を育成し、「親学」で親への支援を始めた。

●日本再生は教育再生から
今月、超党派の親業推進議員連盟(安倍晋三会長)を設立する。年内に、国会では、家庭教育支援の「法律」を、地方では「条例」を作る。
なぜこれが必要か。日本再生の根本は教育再生にあるからだ。教育再生の土台は家庭にある。その家庭が今、揺らいでいる。親を支援しないで、日本の再生はあり得ない。
 なぜ、法案化が必要なのか。それは、法律を作り、基本計画を作り、地方で推進計画をきちっと作らないと行政に反映しないからだ。どんなに立派な政策提言でも、出しっぱなしでは意味がない。法律や条例にし、全国で地方議員連盟を設立し、運動にしていきたい。

●制度改革と意識改革は車の両輪。政策を貫く心棒が必要
橋下大阪市長は、「日本の危機の根本原因は明治以降の社会システム、統治機構に問題がある」と言っている。その通りだ。だがそれだけではない。人が大事だ。維新政治塾のレジュメに「リンゴのなる木の土を耕し直します」とある。
どんなにいいシステムを構築しても、土壌が肥沃でなければリンゴは枯れる。土壌はやはり人次第だ。制度改革と意識改革は車の両輪なのだ。そこを維新八策でどう打ち出していくのか。政策はたくさんある。単なる羅列ではだめだ。政策を貫く心棒が必要だ。

●自尊感情、自己肯定力を高める。心のコップを上に向ける
維新の会が掲げる教育目標は「自立」だ。では、「自立」とは何なのか。
自分を律する「自律」なくして「自立」はない。「道義」、「品格」、「修身」。これらが自律のキーワード。「ならぬものはならぬもの」という不易な価値。
それをきちっと家庭で教えないで、自立などあり得ない。
 福沢諭吉は「自由独立」「独立自尊」と言った。自由は独立心に裏打ちされて本物になる。独立は自尊心に裏打ちされて初めて達成につながる。つまり自由の一番根っこは、自尊心ということだ。 
 だが、今、日本の子供たちに一番欠けているのが、自尊感情と自己肯定力だ。心のコップが下を向いているから、何を働きかけても水は流れ落ちてしまう。
どうすれば心のコップが上を向くか。これが教育の出発点だ。

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