政経倶楽部【東京】第132回・【千葉】第60回 合同例会・懇親会 12/5土
日時:2015年12月5日 開会:~ (開場:)会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
明治維新・英国の操り人形
■講演 西 鋭夫 氏 スタンフォード大学フーヴァー研究所教授
「明治維新・英国の操り人形」
【西鋭夫(にし・としお)氏・プロフィール】
1941年大阪生まれ。岡山県に疎開。5歳で終戦を迎える。
関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院博士号取得(国際政治・教育学博士)。
アラスカ半島サケ缶工場(イクラ製造)や広告代理店に勤務。
1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所。
国内に於いてモラロジー研究所教授も務める。
著書に『日米魂力戦』『國破れてマッカーサー(中公文庫)』など。
※フーヴァー研究所とは、「戦争と革命と平和」をテーマとした政策シンクタンクで、サッチャー元英首相やライス元米国務長官ら著名政治家たちが研究員に名を連ねる世界最高レベルの研究機関。西教授は38年にわたり所属。
●無謀な日米戦争になぜ突入したか。明治維新から見直さなければならない
明治維新を研究題材として興味を持ち始めたのは、ここ3、4年のことだ。
それは今、執筆している真珠湾についての本に起因する。
アメリカの極秘文書は、トップ・シークレットとして、30年後に公開される。ところが真珠湾に関する文書は、ウルトラ・トップ・シークレットで、時効がない。真珠湾の暗号解読文書は、65年後にようやく公開されたのだ。
真珠湾=日米戦争。なぜこんな無謀な日米戦争に、日本は突っ込んでいったのか。調べれば調べるほど、その思いが深くなった。
大本営には、作戦を練る作戦課があった。そこは、海軍大学、陸軍大学首席卒業クラスの超エリートのみが入れる課だ。開戦前、アメリカの実力を調べる為に、スパイ(当時、世界中の三井物産のオフィスに派遣)がニューヨークに送られた。その報告書には、「日本の燃料(石油石炭等)1に対してアメリカの燃料は無尽蔵」と書かれていた。
だが、超エリートの作戦課の男たちは、ろくに読みもせず、こう言い放った。
「俺たちの意見と違う」。
なぜ、日本はそんな情けない国になったのか?
これは、真珠湾の研究をする前に、日本の文化遺伝子、戦争遺伝子を調べたほうがいいのではないかと思い、遡って明治維新を調べることとした。
明治維新から日本は、軍事国家、戦争国家になっていく。
徳川260年間は、戦争はなかった。だとすると、明治維新の時、私たちは、欧米列強に注射をされたのか?遺伝子組み換えをされたのか?
明治維新の旗手と言われる10代、20代の若者たちは、何を習ったのか?
こういう角度から私は明治維新を研究した。今日は、その要点をお話したい。
●坂本龍馬には、資金源があった
維新の風雲児、坂本龍馬。司馬遼太郎の小説で一躍国民的ヒーローとなった。
龍馬は、動き回る。活動力抜群、キレも早い。剣術も千葉道場の免許皆伝。拳銃も六連発を持っている。女性を連れ全国を動き回る。
その交通費、食費、宿泊費はどこから出ているのか?実家は、高知の百姓と下級武士階級。お金もない。なのに、あれだけ精力的に動き回る。
私たちは、坂本龍馬を英雄化、神格化している。お金の話など誰もしない。
しかし私は、アメリカの学者や一般人から必ず「資金源は?」と聞かれる。
果たして、龍馬には資金源があった。そして後年、その人物に暗殺される。
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