政経倶楽部【東京】第108回・【千葉】第36回 合同例会・懇親会 12/7土

日時:2013年12月7日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

よくわかる!世界の中の、中国と日本

■講演 石平(せきへい)氏 評論家 拓殖大学客員教授

「よくわかる!世界の中の、中国と日本」


【プロフィール】

1962年(昭和37年)、中国四川省成都市生まれ。北京大学(哲学部)時代は、毛沢東暴政の再来を防ぐためにと中国民主化運動に情熱を傾ける。卒業後、四川大学哲学部講師を経て、1988年、日本留学(26歳)。1989年の天安門事件をきっかけに中国と「精神的決別」。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。2002年『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)を刊行し中国における反日感情の高まりについて先見的な警告を発して以来、日中問題・中国問題を中心に評論活動に入り、執筆、講演・テレビ出演などの言論活動を展開。2007年末、日本国籍に帰化。『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(ワック)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)など著書多数。



(一)私の見た中国と日本

●出身の四(し)川省(せんしょう)は蜀(しょく)の国

私の出身は中国の四川省だ。三国志の時代、劉備玄徳(りゅうびげんとく)諸葛孔明(しょかつこうめい)が作った蜀の国が今の四川省だ。由緒ある地方で、有名人も多く、唐の詩人、李白(りはく)、近代では鄧小平(とうしょうへい)、また野生のパンダも有名だ(笑い)。

私は1962年(昭和37年)生まれで、来年1月に52歳になる。来日したのは1988年(昭和63年)で26歳だった。2007年(平成19年)に帰化し日本人となった。きょうは前半に私の体験的なお話、後半に時事問題についてお話をしたい。


●毛沢東(もうたくとう)時代~中国史上もっとも暗黒の時代(1949年~1976年の27年間)

 私が生まれた1962年は毛沢東時代だ。現在の中国共産党政権を作った最初の指導者が毛沢東だ。一言で言って、中国史上、最も暗黒な時代だった。何億人もの国民が、拷問、投獄、処刑などの政治的迫害を受け、何千万の人々が殺されたり、自殺に追い込まれた。


●文化大革命(1966年~1976年)の10年間で中国の良き伝統は破壊された

 特に、1966年から1976年(毛沢東死去)の10年間の文化大革命は酷かった。革命の名の下に文化破壊が起こった。論語などの古典を読むことは禁じられ、中国の伝統古書が図書館から掘り起こされ、焼かれ、大学の先生たちも追放され強制労働で農場に追い出された。
 本来、義理堅く人の心を大事にした中国人が、礼節を欠くようになってしまったのはこの10年間の存在が大きい。


●文化大革命の時、私は4歳だった~両親は下放(かほう)。田舎の祖父母に育てられる

 しかし、私にとっては決して悪いことばかりではなかった。
 四川省の成都で大学の教師をしていた両親は強制農場へ追い出され、4歳だった私は12歳になるまでの8年間、四川省の田舎の祖父母に育てられることになった。この祖父母のおかげで今日の私があるからだ。
 ちなみに、私の父親は大学で物理学を教えていたが、農場で養豚に従事した。殺されずに農場に追い出されただけで済んだことは幸運だった。父の同僚は何人も殺された。

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