政経倶楽部第26回例会レポート

日時:2007年2月9日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

代表幹事挨拶・寒竹郁夫氏(デンタル・サポート)

 先週、山で落ちて怪我をしてしまった。そのとき考え事をしていたのは5月に出版する経倶楽部の本のことだ。タイトルは『やる気あるのか民主党(仮題)』。政権交代を本気でめざしてください、というやらせではない本にしたい。今の日本の現状を日本の中小企業の経営者が、それぞれ、こういう部分がおかしいぜ、こういうふうになったらもっと日本がよくなるのに、ということを、直接、野田議員を中心とした議員さんにぶつけてそれを返してもらう、という形式にしようと思っている。

講演・野田佳彦氏 (衆議院議員)

 1月25日から国会が始まった。2月4日に北九州市と愛知県で選挙があり、北九州は同僚議員の北橋さんが当選した。去年11月の福岡市の市長選挙に続いて九州で政令指定都市2つ勝つことができたので4月の統一地方選挙、7月の参議院選挙に九州地区でははずみがついた。愛知県の知事選挙は猛追をしたがわずか及ばずだった。1勝1敗だが判定をつければ優勢勝ちだと思うので、この勢いで、今年政治決戦の年をがんばりたい。 今日から衆議院の予算委員会も本格的な基本的な質疑に入っていくが、格差の問題を含めて論戦でポイントを上げ、4月、7月の節目で効果がでるようがんばっていきたい。 きょうの講師の藤本さんは民主党きっての政策通だ。今、民主党の千葉県連でもローカルマニフェストを街頭で配っているが多くの方が手にしてくれる。有権者は間違いなく政策に興味を持っているということだ。藤本さんにはローカルマニフェストについても触れてもらいたい。

講演・藤本祐司氏 (参議院議員) 『古くて新しい地域振興策としての観光』

 私は15年間、UFJ総研で地域振興や観光政策の仕事をし、最後の1年間はローカルマニフェストの調査研究をし本も書いた。きっかけは4年前の統一地方選挙で、このときに14人の候補者がローカルマニフェストを書いたのが日本における最初のマニフェスト選挙だ。その年の11月の総選挙で民主党が出し、自民党も出し、マニフェストという言葉がよく聞かれるようになった。 当時は、私がいろいろなことを言っても、政策なんて誰も聞かないからマニフェストなんか無駄だ、と言われることも多かったが、やはり政策で動いていくものだからそれを訴えなくして何の意味があるのか、ということを強く主張し、普及活動をしていたが、やっと少しずつ実ってきて良かったと思う。 ローカルマニフェストは基本的には、首長、都道府県知事、あるいは市長、村長が書くものだが、最近は各議会の会派が書くなど広がってきている。 宮崎県のそのまんま東、東国原知事がローカルマニフェストを提示したことも1つの大きなきっかけとなって、この統一地方選挙も、ローカルマニフェスト選挙ということになっていけばいいと思っている。残念ながら、現在は、公職選挙法上、候補者が配ることができないので、そのあたりの法律の改正にも動いているところだ。 きょうの本題は観光の話だ。観光の現状を、もっと振興させるためにはどうすべきなのか、ということをちょっと視点を変えて話させていただきたい

Ⅰ.今、何故、観光か
1.世界的な大交流時代 →国家レベルでの経済政策
 経済が発展して所得が増えると、おのずと海外旅行者数が増える。航空運賃の価格が下がり、空港のインフラの整備、また、アジアを中心とした経済的発展等で人々の移動が容易になり、世界的な大交流時代になり観光が注目されるようになってきた。

2.地域主権型政策 →ポスト工業社会における地域振興策
 地方分権の流れの中で、地域の魅力を高めていく意味で、農業や工業など既存の産業に代わる地域振興策としての観光が注目されてきている。

3.人口減少への対応 →交流人口の増加策
 日本は人口減少局面に入っており各地域で定住者を増やすことがむずかしくなっている。そこで注目されるのが交流人口だ。たとえば商店街も地域の人だけでなく外からの人を呼び込んで活性化を図り交流人口を増加させていこうという動きともあいまって観光ということが注目され始めた。

Ⅱ.観光の現状と課題
1.国内観光を取り巻く環境
 (1)観光産業の市場規模は24~25兆円(うち、8割余が国内観光市場だが、
   横ばい、微減で推移)
 観光市場は自動車産業に次ぐ大きな規模の産業だ。現在80%から85%が国内市場だが、宿泊観光レクリエーション旅行は減少傾向にあり、市場としては減りつつあるので、国内市場をどうしていくのかが1つの課題だ。...

講演 長島昭久氏(衆議院議員) 『2007年の日本の外交課題』

 今年の秋から来年いっぱいにかけて国際政治を決定づける節目が次々にやってくる。まず、今年の秋に中国の5年に1度の共産党大会がある。中国は共産党の一党支配であり国家機関の役職よりも党の序列のほうがはるかに重要な国だ。胡錦濤が、江沢民の側近グループを排除し完全に権力を掌握できるかが注目される。またこの大会で、胡錦濤後の時期リーダーとなるべく新人の登場にも注目される。12月には韓国の大統領選挙がある。政権与党ウリ党は去年から今年にかけて9人も離党し、現在はハンナラ党が第一党となっている。盧武鉉は完全にレームダック状態になっている。保守系のハンナラ党の政権交代が実現するといわれている。2008年3月には台湾の総統選挙がある。現在の陳水扁(民進党)もかなりレームダック状態になっている。国民党の新しいリーダー馬英九と民進党の候補者の一騎打ちとなる。台湾が今後、中国にからめとらていくのか、現状維持で踏ん張っていくのか、それを占う重要な選挙となる。2008年4月にはロシアの大統領選挙がある。ロシアは今、内政においては強権政治、恐怖政治で、秘密情報機関の将校毒殺等、相当な締め付けを行っている。外交においては軍拡路線で2015年までに23兆円軍備増強を図っている。年率8~10%の経済急成長でその資源力を背景にたとえばサハリン2のプロジェクト変更、ウクライナへのガスパイプライン停止等、恫喝外交を展開している。プーチンの後継者がどの程度路線を引き継ぐか世界にとって大きな影響がある。7月にはG8サミットが日本で行われ、8月には北京オリンピックがあり、11月にはアメリカの大統領選挙がある。ブッシュは引退するが、共和党がそのまま引き継ぐか民主党が政権交代をするか。早くもヒラリークリントンはじめ、大統領候補が続々と名乗りをあげている。これら、今年秋から来年にかけての国際情勢の鍵を握るのは、イラク、イラン、北朝鮮であり、アメリカがどれほどの力を維持しながら乗り切っていくのかがポイントとなってくる。

 現在、イラク情勢は極めて深刻だ。戦費は9年で7978億ドル(日本円で96兆円)かかり、死者は3000人、負傷者は2万1000人を超え、今やイラク戦争を支持するアメリカ国民はほとんどいない。軍の不支持も42%と、アメリカ政治始まって以来、政治と軍の関係が最悪となっている。その結果は中間選挙で敗北と出て、ブッシュは最高責任者ラムズフェルトの首をきりゲイツを新しい国防長官に据えた。しかし、ブッシュは、ゲイツやジェイムズ・ベーカーらイラク研究グループの報告書(兵力を半減させる、シリアやイランとの協調路線)を蹴り、2万1000人を増派し、イランとシリアに強硬姿勢を貫く声明を出した。既に去年の暮れからアメリカはイランの核関連施設を空爆するシフトをしいている。そもそも中東を安定化させるためにイラクのサダムフセインを打倒したと言われているが、結局は、中東大混乱になっていく可能性をはらんだイラク新政策になるわけだ。強硬路線の首謀者であるチェイニー副大統領の来日もあいまって、同盟国である我々にどのような支援要求を突きつけてくるのかが懸念される。...

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