政経倶楽部第20回例会レポート
日時:2006年9月14日 開会:~ (開場:)会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
代表幹事挨拶・寒竹郁夫氏(デンタル・サポート)
司法書士の友人が来春の千葉市議会選に挑戦する。彼は、千葉市内の行政の仕事を民間にやらせてみたいと言っている。私は歯科医療をしているが、乳幼児や小学生の歯科検診も民間に任せればおそらく半分のコストでできると思う。
講演・野田佳彦氏 (衆議院議員)
このたび、日本とインドネシアの民主党の議員連盟が発足することになり、今日第一回目の準備会懇親会と重なってしまったため中座させていただく。 民主党の代表は小沢さんが再選、自民党は安倍さんが選ばれ、9月26日から12月半ばまでの臨時国会が開かれる。秋の陣は、国会と2つの衆議院補欠選挙(神奈川16区と大阪)で、これが来年の通常国会、参議院選挙につながる大事な戦いなので注目いただきたい。 報道は、自民党の総裁選挙に集中しているが、小泉政権の5年5ヶ月の総括が一番大事なことだ。5年間で4回の予算を組んだわけだが、140兆円も借金を作り、今年度末は170兆円までに増え、世界一の借金王になってしまった。 去年1月通常国会の冒頭で、民主党を代表して、総理の施政方針演説に「140兆円もの新しい借金を作って将来にあなたは何を残したのか」と質問したが、小泉さんの答えは「私が棺に入ってから評価してください」という無責任なものだった。
小泉政権の評価はいろいろあると思うが、行き過ぎる格差社会、にあると思う。数値でいえば、5年間で正規社員が240万人減り、非正規が320万人増えた。生活保護世帯は80万5千世帯から106万世帯へと増えた(25万5千増)。年間所得200万円以下の人も138万人増えた。一番問題なのは、それが子どもの世界に及んでいること、教育格差だ。就学支援を受けている子どもが5年前の98万人から134万人と36万人も増えた。私は徹底した規制緩和論者であり、無用な規制は民間に開放していくべきものとは思うが、今の日本は、中間層が一回落ちてしまったら這い上がれない状況になっており、中間層の厚みが薄くなっていて、それが教育の分野にまで影響しているのは由々しきことだ。 人類が長い間かかって見つけてきた価値は、「自由と平等」である。ここ数年の自由主義優先の動きを是正するために、平等ということも考えるべきであり、教育については機会の均等を確保するという平等は最低限実現しなければならない。自由と平等を交互に踏み出していきながら前進をする国にしていかなければならない。
講演・垣谷弓弦氏 (中野サンプラザ代表取締役) 「中野サンプラザ民営化で『ヒト・モノ・カネ』はこう変わった、こう変えた」
中野サンプラザの概要
中野サンプラザは、JR中野駅から徒歩1分に立地。昭和48年に勤労青少年の雇用の安定と福祉の増進を図ることを目的として旧労働省の雇用保険の資金で建てられた。旧正式名称は全国勤労青少年会館。愛称サンプラザ。 コンサートホールが有名だが、宴会場、宿泊施設、結婚式場、レストラン、ボウリング場等、多様な施設を持つ街中の複合施設である。
中野サンプラザ民営化の基本スキーム
平成13年12月、特殊法人等整理合理化計画(閣議決定)に基づき、(財)雇用・能力開発機構の勤労者福祉施設の廃止期限が決定。平成14年8月に中野区に譲渡打診があり、中野区は所有はするものの、コンペを通じて運営主体を選定することとなった。平成16年7月に地元の企業連合チームがコンペに当選、同年9月に、所有会社の(株)まちづくり中野21(出資割合は中野区2/3、(株)中野サンプラザ1/3 の第3セクター)と、運営会社の(株)中野サンプラザ(地元資本を中心とする100%民間会社)が設立され、12月より民営化開始となった。民営化の基本条件は、新経営陣の投入、既存職員の雇用の継続、公共性のある運営の継続。資金は政府系金融機関を中心とした協調融資団から借り入れており、融資の条件として巨額の違約金条項や、二期連続赤字の場合は経営陣即刻退陣等の条件もある。
公共経営時代の問題点
(採算性意識の欠如 サービスマインド・セールスマインドの欠如 サービススキル・事務処理スキルの欠如)
民営化後、平成16年度は8500万、平成17年度は2億2千万円経常利益を上げ、三期目も順調に進んでいる。 役所がやっている仕事というのは、...
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